子犬購入の知識

初めに
 貴方は飼い主として自信がありますか?…
 現在・保健所に於いて毎年安楽死させられる犬猫は約90万頭(02年度)。
 実にJKC年間登録頭数の約2倍と驚異的な数字です。
 万全な健康管理の下、愛育されるのであれば寿命は約10〜15年。それを前提とし、考えられる主な原因、対処方法は?
 子供にせがまれて等購入する場合、子供が最後まで面倒を見なくても貴方が最後まで面倒を見れますか?
 外観や流行だけで犬種選びをしないこと。
 必要運動量が膨大で対応できない、気性が激しくて手に負えない、無駄吠えが多くて近所からクレームが…など、犬種によって様々な特徴がある事を考慮し、自分・家族との相性を検討する必要があります。
 人ですら幼児の頃は誰だってイタズラしますし、健全な子犬は当然イタズラする(知能程度は人間の3−4歳程度)。
 人間同様、躾や年と共に社会性を身に付ける事に変化する事を理解する必要があるます。

 また雌犬の場合は、避妊手術をしない場合には、発情期の管理には充分気を付け、雑種を作らないように注意しなければならず。
 現実に雑種の多くは処分されていると考えられる。
 尚、「血統書が無くても良い」、「雑種でも構わない」…と言う飼い主を否定をするつもりは有りませんが。

 不幸に直面している犬達を救う人達には心から敬意を表したい。
 ただし、一部の犬達のみが救われているのが現実で、原因を取り除く事が最重要ではないでしょうか。
 それは繁殖・販売する側と共に、買う・譲り受ける側のモラルにかかっている。

 犬は人間達のニーズに合わせて改良されてきました。
 現在では大きく分ければペット用とショー用を目的とされて繁殖され、結果として多くがペット用(愛玩用)として利用されるのが理想と言えるのではないでしょうか。
 本来、繁殖の際には向上・改良と言った目的意識が必要である筈なのに、最初から利益目的でペット用として大量生産されたのでは、「安かろ…悪かろ」の結果しかないのではないでしょうか。
 ある愛犬家はメスの子犬が膝蓋骨形成不全のため脱臼し、ブリーダーに代替犬を要求したら、「オスを無料でやるから、代わりに子供を産ませて返して欲しい」と平然と言われたそうだ。
 そう、骨格の形成は遺伝と深い関係があるので、本来は繁殖に利用すべきではないのに…。
 輸入犬と言うだけで評価が高いのも、残念ながら的を得ている。

 繁殖者たるモノの使命とも言える「良質な子孫を後世に残す」を前提にすれば、ユーザーは血統(系統)的な裏付けのある良い資質(遺伝子)を備える犬を求めるべきである。環境が許されるならば問題が確認された犬を除いて1度は繁殖もさせたい。子供を産ませないのは人間のエゴでしかない。基本的に全ての生物は、子孫を残すために誕生・存在してるのだから...

ブリーダー(繁殖家)区分…子犬の入手経路と価格などの特徴

 入手経路を以下のように大まかに分類してみましたが、それらの事項に重複して該当するブリーダー(又は業者)もいる。
 又、利益が前提になってしまうと、犬質と価格とのバランスは確実に悪くなる。
 ちなみに「繁殖で商売は出来ない(儲からない)」のが、数多くの識者の見解でもある。

トップブリーダー
その1.お金持ちの道楽である事が多く、利益を考えたらバカらしくてやってられない。
 ドッグショーで常に高いポジションに就いている事が条件。
 スタンダードに基づいたトップレベルの犬の作出に努める。
 ショーで勝つために海外から金に糸目を付けず高価な犬を輸入する。
 利益を前提としない人も多いし、採算が合わない事も多いだろう。
 最終的には自家繁殖犬で勝負すべきで、輸入犬ばかりに頼っているのはトップブリーダーとは言えない。
 子犬の平均価格は高め。

その2.AM.CHなどの外産犬を複数頭保有し、良質な血を国内に導入している。
 必ずしもトップブリーダーとは呼べないにしても、犬質のレベルアップに貢献しているのは事実である。

ブリーダー(弊社の場合)
 ドッグショーで勝てる、スタンダードに基づいた犬の作出に努める。
 トップブリーダーから良血の台犬を入手したり、交配でトップレベルの犬の血を導入し、自家繁殖犬のレベルアップを図る。
 外産犬を導入するなど、相応の費用をかける事も少なくないが、大きなリスクは好まず、良質な子犬をリーズナブルな価格にて広く提供している方が多い。

愛犬繁殖家
 犬達の幸せを考えれば少頭数で愛育されながら、年に1回程度出産させて愛犬家に分譲する形態に勝る方法はない。
 愛犬繁殖家が直接分譲を行う場合、実勢価格(適正価格)より割高な事も多い。

繁殖業者
その1.とにかく安い。
 ペットが普及し、繁殖で生計を立てる人達が増加。
 特に畜産業や製造業からの参入組は、低価格で大量生産を目指し、まさにブロイラー繁殖。
 少人数、多頭数であれば衛生管理も悪くなり、虫・病気は避けようがないだろう。
 専門知識もないから子犬の質は低い。
 ユーザーの見学不可も多く、通販やペットショップ、市場等が主な流通経路となり、最終的には勉強不足な愛犬家の手に渡るのが現状だろう。
その2.知識・キャリアが有り、子犬の質は良く値段もリーズナブルだが、衛生管理に多少難有り。
 ただ、動物愛護の観点から見ると甚だ疑問点が多い。

訓練所
その1.自身、もしくはグループ内・顧客の優秀な種牡と一般の愛犬家が所有する牝犬と交配し、多くの場合は 子犬を引き取ってくる。
 警察犬認定犬種であれば子犬の質も信頼性は高いと言える。
 自家繁殖でない限りは母犬などの見学は不可である事が多いだろう。
その2.子犬の販売に精を出している。
 警察犬以外の犬種の種オスを多数保有し、第三者の台メス等と交配して子犬を仕入れて販売する。
 利益主義の傾向が強いため衛生管理が悪い。

繁殖・ペットショップ
 犬質・血統は良い傾向にあるが、営利目的の為、一般ブリーダー価格よりも高価。

ペットショップ
 ある程度良心的なところと、利益主義の傾向が強いところと大きく2つに分けられる。
 後者は特に都心部に多いように思われる。
 素人には価格の違いが分かり難いので、上記にもある”繁殖業者その1”からのみ、多頭数を激安で仕入れる。
 すなわち、販路の広い大手ほど有効な手段であり、逆に言えば高い利益率で成長したとも言える。

通販業者
 ある程度良心的なところもあるかもしれないが、無知なユーザーの大半のニーズは「どこよりも安い子」なので、必然的に質・健康状態より多頭数・多品種の繁殖者から格安仕入れをする傾向にある。

仲介業者(弊社の場合)
 ペット先進国である欧米諸国を見習い、繁殖者から直接手渡し(又は輸送)と展示販売をなくす事で、子犬の伝染病やストレスによる死亡のリスクを無くし、動物愛護と良質な子犬の低価格化を実現。
 見学歓迎の為、愛犬家の立場からなるべく小頭飼育の繁殖者や愛犬繁殖家、モラルの高い専門犬舎等から子犬を仕入れる事が多いため、平均仕入れ価格はかなり高いが、愛犬家に対して啓蒙活動を行う事で薄利多売を実現している。

子犬の選び方
 物を買うのと違い、生体に関してはその見極めが難しく、プロ(業者)だって失敗を繰り返しながら学習しているのです。
 当社では愛犬家に代わって、それらの経験を貴重な財産(情報)とし、愛犬家が安心して子犬探しを出来る情報提供を目指しています。

問題のある子犬が多発!
 近年、流通過程で約2割の子犬が死亡した。
 殆どがウィルス性の伝染病(パルボ等)が原因と考えられる。
 複数の繁殖者から1ヶ所に子犬を集めることのリスクを証明している。
 インターネット通販で子犬を買ったらパルボだった。
 保証があったので代わりの犬を送ってもらったら今度はジステンバーだった。
 又、代わりの子犬を送ると言われたが断ったそうだ(某愛犬家談)…
 凄い確率に思えるが、管理が悪ければ起こり得ることなのか?
 人気犬種に於いては、近親交配の為に「欠陥犬」が多数販売されている。

ババを引かないために
 人手間を出来るだけかけずに飼育される犬達は不幸であることは言うまでもありません。
 英国に於いては、飼育者1人につき10頭程度が目安である(らしい)。
 アメリカの某トップブリーダーは10頭も所有してないとのこと。
 排泄物にまみれた汚い環境には寄生虫・ノミ・ダニ等が湧き易く、口などの経路から子犬もそれを受け継ぎやすい。
 一日中ケージに閉じ込められてストレスが溜まっている母犬から果たして健康な犬が産まれるだろうか?
 断続的なインブリードは、弊害を生む確率が高くなる。
 愛犬家はそれらが異常な行為である事に気付き、排除する努力をしないと改善は決してあり得ない。

優先順位 
 健康な子犬…繁殖者の人格(モラル)と知識は重要で子犬にも反映される。
 近郊の問題のある繁殖者より、遠方でも信頼できる繁殖者を選ぶのが無難。
 健康な子犬…先天性疾患が無い事。
 信頼できる系統、CH犬及び審査の厳しい外産犬の血が濃い場合は内蔵・骨格などに於ける病的遺伝子のリスクが少ない。
 健康な子犬…後天性の健康上の問題がないこと。衛生&健康管理が良い事が条件となる。

スタンダード(その犬種における理想)を真剣に目指す繁殖者で有れば、子犬の信頼性も高いだろう。

理想の子犬を理想の価格で(価格の違いの理由)
 購入先(ユーザー)でのトイレのしつけが楽になるように対応しているか?
 「心身ともに健康であること」の見分け方
 耳の異臭や耳垂れは、中・外耳炎の可能性が高い…但し、低出費にて簡単に治る方法もある。
 鼻が乾燥していないか,鼻汁は出ていないかの確認。
 健康的な犬の鼻は湿り気がある(但し寝起きの時は乾いていることが多い)。
 目が澄んで生き生きしているか?目やにがついていないか?
 毛並みは艶があるか?
 皮膚に湿疹が出来ていたりフケが無い事。
 尾に感情が表れているか
 犬種による特徴を備えているか?
 地面に肛門をこすりつけるなどかゆがっていたら、寄生虫の可能性と、肛門付近のウンチが気になっている為。
 下痢は寄生虫や胃腸虚弱、たまたま消化不良を起こしているなど。
 脚がしっかり地に着いていてふらつかないか
 引きずっていないか
 動きは機敏か
 骨格はしっかりしているか
 弱々しくないか
 健康的な子犬は体が引き締まっており、実際に持ち上げてみると見た目以上にどっしりしている。
 決して骨と皮だけの固さでなく、 まるまるとしているのに硬い。
 そして暴れる姿はまさに活きが良い ! 
 生後直後から確認でき,素人にも分かり易い。
 基をたどれば母胎が健康的に飼育されている証明とも言える。
 兄弟は複数、出来れば多い方がよい。
 子犬は母犬に服従、そして兄弟との団体生活の中で社会性・上下関係を学ぶ。
 具体的には兄弟間での力関係による上下関係、 お付き合いの方法。
 噛まれることの痛みなど。
 又、少頭数出産の場合、その子犬は上記の結果、精神的未熟により繁殖行為が 上手く出来ない事もある。

輸送
 空輸の場合は、子犬の発育状況に応じて理想的な輸送時期を判断します。
 揺れも少なく短時間で済み、貨物室内も温度、湿度、気圧など客室と同様の状態に保たれてますので子犬への負担も最小限で済みます。
 受け取りの際には印鑑と身分証明書を持参して下さい。
 航空会社で所有するゲージの利用は、以前そのゲージを利用したペットが病気を持っていた可能性が有る為、ブリーダー側で自前のゲージを用意して送り、受け取り側が送り返す(もしくは買い取る)のが最も確実な方法です。

JAS(日本エアーシステム)公式サイト   国内線時刻表有り
ANA(全日空)公式サイト         国内線時刻表有り

 陸運では、「営業所持ち込み、営業所止め」が一般的です。
 西濃運輸、福山通運、近鉄物流、阪急通運などで対応していますが、未対応の営業所もあります。
 通常は夜8時頃の最終便で送りますので、引き取りが夜中(もしくは早朝)になる事が殆どです。
 中長距離の輸送では子犬への負担が心配なので、輸送時間、受け取り営業所への到着時間など確認して判断すべきでしょう。
 勿論、譲渡側が必ずしも交通の便の良い場所とは限りませんので、空港や陸運会社営業所に持ち込むまでの交通費分を負担する必要があります。

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